今回は冬の食事について、ひろしまDMステーション管理栄養士の佐藤さんからです。

みなさんは野菜を十分に食べられていますか?

厚生労働省によると、国民ひとり1日あたりの野菜摂取量の平均値は約280gで、目標値の350gには達していません。野菜の小鉢1皿分が不足している状況です。
そこで!いつもの汁物を具沢山にすることで野菜不足を解消しませんか?
具沢山にすることで、お椀に盛り付ける汁の分量が減り食塩も控えられます。

今回は私の地元、鎌倉市の郷土料理である「けんちん汁」を紹介します。

鎌倉の「建長寺」のお坊さんが落として潰れた豆腐を、汁に混ぜて食べたのが由来と言われています。
「けんちょうじ汁」が訛って「けんちん汁」です。
鎌倉市内だけではなく、全国的に給食メニューでよく見られますが、広島県内では認知されているでしょうか。
具材をごま油で炒めるのでコクが出て、根菜類からの出汁と相まって、薄味でも美味しく頂けます。
盛り付けの際に汁を半分残すと、1杯あたりの食塩相当量は約0.7 g、みそ汁よりも食塩控えめにできます。
(一般的なみそ汁は1杯1.8 g程度の食塩を含みます。)
※食塩の目標摂取量:1日あたり男性7.5 g未満/女性6.5 g未満

今年の大河ドラマの舞台は鎌倉です。この機会に具沢山のけんちん汁で野菜をプラスしてみませんか?

<材料(2人分)>
・木綿豆腐:150 g
・大根:100 g
・人参:40 g
・ごぼう:40 g
・こんにゃく:1/4枚
・干し椎茸:1~2枚
・長葱:1/3本
 
・ごま油:大さじ1/2
・出汁(+干し椎茸の戻し汁):2カップ
・酒:大さじ1
・しょうゆ:小さじ1
・塩:小さじ1/4弱
 
(1人分あたり:126 kcal、食塩相当量:1.3 g、野菜100 g)
<作り方>
①干し椎茸を水で戻し、軸を除いて薄切りにする。戻し汁は捨てずにとっておく。
②豆腐を乾いたふきんまたは紙タオルなどに包み、おもしをのせて水けをきっておく。
③こんにゃくは一口大にちぎり、熱湯で2~3分間ゆでてざるに上げる。
④大根と人参をイチョウ切りにする。ねぎを1cm幅に切る。
⑤ごぼうの皮をたわしでこすって洗い、小口切りにして水にさらす。
⑥鍋にごま油を熱し、④の大根・人参、⑤を加えていため、③も加えてサッといためる。
⑦出汁と①を加え、煮立ったら火を弱め、7~8分間煮て酒としょうゆを加える。
 さらに4~5分間煮て野菜が柔らかくなったら、②を手で崩しながら入れ、長葱も加える。
⑧一煮立ちしたら塩で味を整えて火を止める。
 
☆吸い口には「おろし生姜」がおススメです。

<参考資料>

「令和元年国民健康・栄養調査」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/